第48回 巻頭インタビュー
CANARY 益子 一也(ますこ かずや)さん
神奈川県出身、関西の大学を経て大阪で就職し10年ほど居住。アプリのプログラマーとしての仕事の傍ら、2026年4月から奈留拠点の緊急搬送用海上タクシー事業を担っています。
釣り好きが高じて
釣り好きが高じて、国内外を旅しながら釣りを楽しむことが趣味の益子さん。初めて五島列島を訪れた際に釣りをしたのは福江島でした。
「全然釣れなくて(笑)。もう少し居ようかなと思って車を買い、ゲストハウスに滞在しました。そこからもっと釣りの幅を広げたくなって、車の上に積めるタイプのボートまで買ってしまって。そうなると他の場所へ行かなくなったので、『もう家を借りようかな』と……」
釣り好きで何度も島を訪れる人はよくいますが、「いっそのこと住もう」と決断する人はなかなかいません。
「最初は若松島で家を借りていたのですが、そのうち『もう家を買おうかな』と考えるようになって。そうしたら『奈留島にいい物件があるよ』と紹介してもらい、購入しました。」
そして、この物件の1階には、2025年春号で紹介した『またたび』が入っています。

次なる購入は海上タクシー
奈留島へ移住し、民泊宿を始めた益子さん。
「奈留島は、釣りの情報がまだあまり知られていなかったのも魅力でした。松本議員に誘っていただいて協会にも入り、素潜りもやっていました。」
そして、海上タクシーを購入するきっかけとなったのも、この松本さんとの出会いでした。
「釣り好きとしては、やっぱりもっと大きな船が欲しくなって。探していたところ、松本さんから『いい船があるよ』と声をかけてもらいました。」
ところが、見に行ってみると、その船はまさかの海上タクシーでした。
「維持費がかなりかかる船なので、リスクとリターンは相当計算しました。釣りだけでは維持していくのは難しい。でも、奈留島では緊急搬送の手段がなくなってしまっている現状もある。いろいろ考えた結果、購入を決めました。」
「誰かのため」ということはあまり口にしたくない、と話す益子さん。しかし、緊急時の搬送手段を失った島民の不安を目の当たりにし、その思いが海上タクシーの運航へと背中を押したのではないかと感じました。

海路の充実を目指して
現在は、緊急時の海上搬送を担う海上タクシーとして運航しています。
「まずは緊急搬送の需要に応えることが急務だったので、多くの方に協力していただき、比較的スムーズに許可を取得し、運航を始めることができました。ただ、日中は稼働する機会がほとんどないので、今後は観光船としても活用したいと考えています。内装も少しずつリフォームを進めていて、座席も整備する予定です。秋ごろからは、奈留島を拠点に久賀島や若松島の教会群関連の観光地などを巡る観光定期船のような形で運航できればと思っています。」

船の最大定員は12名。運航範囲は許可を取得しているエリア内で、新上五島町の青方付近まで運航できるそう。リフォームなどの準備が整い次第、奈留島のWEBサイトで案内を開始する予定です。
五島列島の醍醐味は、何といっても美しい海。せっかく島を訪れるなら、海路ならではの景色を楽しみながら観光地を巡る旅も魅力的です。海上タクシーによる新たな島旅が始まる日を、楽しみにお待ちください!
奈留島公式観光ガイド
文:藤田 佳子
【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2026秋号



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