宇久島神社例大祭・しゃぐま・棒引き
開催日|2026年10月24日(土)・25日(日)
場所|宇久島神社〜御旅所(神浦公民館周辺)
※天候により内容が変更される場合があります。

〜お話を伺った方〜
月川 徹(つきかわ とおる)さん《宇久島神社 宮司・祭主》
宇久島神社の14代目宮司。例大祭では祭主を務め、祭典の準備や行列の進行、関係地区との調整など、祭り全体に携わる。
天保4年から続く、秋の実りの祭り
宇久島神社例大祭は、1年間のご加護と秋の実りに感謝し、これからの平穏を願う祭りです。1日目の「お下り」では、本殿で祭典を行った後、神様を乗せた神輿が御旅所へ向かいます。翌日の「お上り」では再び行列を組み、神様を神社へ送り届けます。行列の中でも長く受け継がれてきたのが、「しゃぐま」と「棒引き」です。棒引きに使われる先棒には「天保四年(1833年)」と刻まれており、190年以上前の江戸時代から続いていると考えられています。現在も、地域の人たち約100人が関わりながら守り続けている、宇久島の秋の祭りです。

役割としぐさを、地域で受け継ぐ
行列では、住んでいる地区や家によって、それぞれの役割が決められています。道筋や衣装、披露するしぐさも、昔から大切に受け継がれてきました。担い手は本番前に練習を重ね、立ち位置や足の運び、道具の扱い方を身につけます。毎年参加する人が変わるため、その年ごとの練習が欠かせません。月川さんも地域の区長や役員、学校と連携しながら参加者を集め、中高生への指導を行っています。
祭典の後、神輿が出発する前には、生のヒジキを神前に供え、総代や区長とともにいただく特別な神事も行われます。月川さんによると、長崎県内でも宇久島だけに残る珍しい風習です。
毛槍と棒が舞う、行列の見せ場
「棒引き」は、黒羽織に黒い股引姿。棒を手に、前後左右へ独自の足さばきを見せながら進みます。その後ろに続く「しゃぐま」は、黒羽織に白い股引、わらじ姿で毛槍を持ち、拍子木の合図に合わせて相手へ投げ渡します。現在は、この役を担っているのは地域の中高生たちです。「下に居れ、下に居れ」と口上を述べながら行列を指揮します。頭を下げるよう呼びかける、かつての大名行列を思わせる言葉遣いも残っています。境内や御旅所では、毛槍の投げ渡しや棒引きの演技が披露され、古式ゆかしい行列の雰囲気を間近で感じられます。
ふるさとへの思いを、次の世代へ
かつては多くの子どもが行列に参加し、沿道には出店も並んでいました。しかし、少子高齢化が進む現在、参加者を集めることは年々難しくなっています。月川さんが願うのは、祭りの形だけでなく、宇久島を大切に思う心も次の世代へ受け継がれることです。
「故郷への思いをなくしてほしくありません。これまで続いてきた祭りを、これからも残してほしいと思います」
古式ゆかしい行列は、地域の人たちの思いとともに、この先も宇久島の秋を進んでいきます。

CHECK|毛槍が宙を舞う瞬間に注目
「棒引き」の独自な足さばきは見逃せません。続いて披露される、「しゃぐま」が拍子木の合図に合わせ、毛槍を相手へ投げ渡す場面は、行列の大きな見どころです。
POINT|境内と御旅所で行列を楽しもう
境内や御旅所は、しゃぐま・棒引きの演技を間近で見られる絶好の観覧場所。昔から変わらない衣装や口上にも注目すると、祭りをより深く楽しめます。
【取材・執筆・掲載】fully編集部
【掲載先】fullyGOTO2026秋号


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